長野の葬儀

「いまどき」の長野県の相続・お墓・お葬式のことがよくわかる

弔問・会葬マナー⑨ 神式の場合

2020年10月09日

【通夜祭と遷霊祭】

 神式の場合、仏式の通夜にあたる儀式は「通夜祭」と言います。神道では死を穢れと考えるため、通夜祭は神社ではなく、自宅か葬儀場で行われます。参列者は会場に入る前に、手水で手を洗い口をすすぐ「手水(ちょうず)の儀」を行うことがあります。儀式はお祓いのあと、斎員(神職)が祭壇に神饌を供え、斎主が通夜祭詞を奏上します。次に玉串を奉り拝礼する「玉串拝礼」を行います。玉串礼拝は斎主につづいて喪主、遺族、弔問客の順に行います。
 このあと儀式は御霊を遺体から霊璽に遷す「遷霊祭」に移ります。霊璽は仏式でいう位牌にあたるものです。会場を暗くして、御霊を霊璽に遷し、霊璽は祭壇の「仮霊舎」に納められます。その後、葬儀会場の明かりをつけ、一同が着席して、斎員が献饌を行い、斎主が遷霊祭詞を奏上して玉串を捧げ、拝礼して終わりとなります。
 仏式の通夜振る舞い、精進落とし、お斎にあたる会食は「直会(なおらい)」と言います。


【葬場祭】

 仏式の葬儀・告別式にあたる儀式を神式では「葬場祭」と言います。通夜祭と同様、会場に入る前に身を清める「手水の儀」を行うことがあります。葬場祭のあとは「出棺祭」「火葬祭」「埋葬祭」「帰家祭」「直会」とつづくのが一般的です。


【神式の拝礼方法】

 神式の正式拝礼は「二拝二拍手一拝」が基本です。2回深いお辞儀をして、2回かしわ手を打ち、最後にもう一度お辞儀をします。弔事の場合、柏手は、音をたてないように静かに手を合せる「忍手(しのびて)」で行い
ます。お祓いを受けるときや斎主が祭詞を奏上しているときなどは黙とうして頭を下げるようにしましょう。

【神式葬儀の注意点】

 神式の場合、供物は果物、菓子、魚などの海産物、酒、五穀などです。線香やロウソクなどを選ぶことのないようにしましょう。供花は仏式と同様、白や黄色の花がよいでしょう。
 包み金の表書きは「玉串料」「御榊料」「御神饌料」「御神前」または「御霊前」と書きます。不祝儀袋はハスの絵が入ったものは仏教用なので避けましょう。
 お悔やみの言葉にも気をつけましょう。「冥福」「成仏」「供養」などの仏教用語は使わないようにしましょう。「御霊の安らかならんことをお祈り申し上げます」「拝礼させていただきます」などが一般的です。

【玉串拝礼】

 神式の葬儀で、仏式の焼香にあたる儀式は「玉串拝礼」になります。玉串礼拝は、玉串を神前の玉串案(玉串を載せる台)にお供えする儀式で、葬儀のときだけでなく、神式の儀式のときには必ず行われるものです。
 玉串は榊の小枝に紙垂(しで)という紙片をつけたもので、玉串拝礼には、玉串に自分の誠の心をのせて故人の御霊に奉るという意味があります。玉串を捧げたあとは、二拝二柏手一拝で拝礼します。

 

右から

①遺族に一礼、神職の前に進み出て一礼、玉串を受け取ります。玉串の根元を右手で上から包むように持ち、左手は葉先を下から支えるように持ちます。

②玉串を胸の高さに捧げ持って玉串案の前に進みます。玉串を根元が手前にくるように時計回りに回して縦にします。

③玉串を持つ手を入れ替えます。左手が根元、右手が葉先になるようにしましょう。

④枝先を時計回りに半回転、根元を際壇に向けて、そのまま玉串案の上に捧げます。二拝二拍手一拝のあと、遺族と神職に一礼して席に戻ります。

 


⇒葬場祭の流れ、手水の儀、神式の不祝儀袋、玉串拝礼の作法などのさらに詳しい情報は『長野の葬儀』に掲載しています。