長野の葬儀

「いまどき」の長野県の相続・お墓・お葬式のことがよくわかる

弔問・会葬マナー⑩ キリスト教の場合

2020年11月23日

【カトリック】
 カトリックの通夜は「通夜の祈り」と呼ばれ、自宅や教会などで神父とともに行われます。まず参列者一同で聖歌を歌い、聖書の朗読を行って、神父の言葉のあと、一同で「通夜の祈り」を捧げます。その後、神父、遺族、参列者の順に献花を行い、遺族代表が感謝の言葉を述べて式は終わります。このあと、参列者を茶菓子などでもてなす茶話会が行われる場合があります。参加を依頼されたら快く出席しましょう。
 カトリックの葬儀は、キリストによって故人を神に委ね、キリストの再臨と、死者の復活を願うもので、故人が所属していた教会で行うのが一般的です。告別式は葬儀と別に、神父の司式で行われます。

 

 【プロテスタント】
 プロテスタントの通夜は「前夜式」と呼ばれ、納棺の後、教会で行われることが多いようです。讃美歌の斉唱や聖書の朗読、牧師による祈りや説教が行われたあと、参列者が献花を行います。プロテスタントも牧師や近親者で故人を偲びつつ茶菓子や簡単な食事を囲む、茶話会を行う場合があります。参加を依頼されたら快く出席しましょう。
 プロテスタントでは、人は死後、天に召されて神のもと安らかにいるという考え方があり、祈りは神のために捧げられます。葬儀も神への感謝と遺族を慰めるためのものとして教会で行われ、聖書朗読と神への祈りが中心となります。ただしプロテスタントには宗派がいくつもあり、宗派によって葬儀の内容や式次第が異なりますので、会場での指示に従って参列しましょう。プロテスタントの場合は葬儀と告別式をわけずに、つづけて行われます。

 
【供物】
 キリスト教には祭壇に供物を飾る習慣がありません。品物の供物は認められていないほか、生花も宗派によっては認められない場合があります。また、生花を贈ることになった場合も、供花に社会的立場などの表記があるときは「神のもとに、みな平等」という考え方から、名札を外すケースもあります。遺族、葬儀社などに事前に必ず連絡して、確認をとりましょう。
 

【香典】
 キリスト教には、葬儀の際にお金を包む習慣はありません。お花代の意味で、カトリック、プロテスタンともに「御花料」の表書きで渡すのが一般的です。カトリックの場合は「御ミサ料」の表書きが使われることもあります。

 
【参列のマナー】
 儀式では、聖書の朗読や、神父や牧師による説教、聖歌や讃美歌の斉唱などを行います。聖歌や讃美歌は参列者全員の斉唱が基本ですが、わからない場合は、起立したまま静聴してもよいでしょう。儀式の前に式次第や聖歌・讃美歌が書かれた用紙が配られることもあります。なお祈りの場面では、信者でない限り、祈りを捧げる際に指を組んで手を合せたり、胸で十字を切るしぐさは、しなくてもかまいません。静かに神に祈る、黙祷を捧げましょう。
 キリスト教では、死は永遠の命の始まりであり、不幸な出来事ではないと考えますので、お悔やみの言葉は述べません。遺族には「お知らせいただき、ありがとうございます」「安らかな眠りをお祈りいたします」などとあいさつしましょう。
 また弔辞を依頼された場合や弔電を送る際も、弔いの言葉ではなく、故人の思い出を語るような内容にしましょう。

 

【献花の作法】
 キリスト教の葬儀で、仏式の焼香にあたる儀式は「献花」になります。本来、キリスト教にはない儀式で、日本の弔事の習慣にあわせて行われるようになった、日本独自の儀式です。献花の作法はカトリックもプロテスタントも同様です。カーネーションや菊、百合などの、茎の長い白い花を用いて行われるのが一般的です。

 

【献花の仕方】

(イラスト右から)
①祭壇に向かってすすみ、遺族に一礼してから両手で花を受け取ります。花のほうを右側に、茎のほうを左側に、右手を上向き、左手を下向きにして持ちましょう。

②花を胸の高さで持ち、祭壇の献花台の前にすすみます。祭壇に一礼して、花を自分の前で立ててから、茎のほうを祭壇に向けます。右手の甲が下になります。

③茎側を持つ左手の甲を下向きにします。

④両手で献花台に静かに捧げます。軽く頭を下げて黙祷し、最後に深く一礼をします。前向きのまま2~3歩後ろに下がり、遺族や神父または牧師に一礼して、席に戻ります。

 

⇒カトリックの「追悼ミサ」、プロテスタントの「記念式」など、さらに詳しいキリスト教の葬儀作法の情報は『長野の葬儀』に掲載しています。