長野の葬儀

「いまどき」の長野県の相続・お墓・お葬式のことがよくわかる

喪主・親族の心得⑤ 喪主の決定と世話役の依頼

2021年02月19日

【喪主の決定】

 遺族の代表として葬儀を執り行い、弔問を受けるのが喪主の役割です。故人との縁がもっとも深かった人、既婚者なら配偶者、配偶者がいない場合や高齢の場合は、長男や同居している子どもが務めるのが一般的ですが、場合によっては他家に嫁いだ娘が務める場合もあります。また喪主が幼い場合などは、親戚が後見人として就きます。
 僧侶や葬儀社との打ち合わせにはじまり通夜、葬儀の執行の後も、忌日法要、年忌法要まで、喪主の務めは長きにわたる大事ですので、故人の同居家族の人の中から、またはその近隣に住む人を選ぶのが無難です。ただし最近は核家族化がすすみ、同居家族や近隣居住者に、喪主にふさわしい人がいないケースも多くなりました。遠い場所に暮らす人が喪主になるときは、兄弟姉妹、孫などが役割を分担して、喪主を助けるケースも増えています。

 

 

【世話役の依頼】

 臨終から数日の間、喪主と遺族は遺体の近くにいながら弔問客の対応に追われ、忙しい時間を過ごします。そこで、喪主や遺族に代わって通夜から葬儀が終わるまでの実務を執り行う「世話役」を立てる場合があります。
 世話役が担当する役割は受付係、会計係、台所係、会場係、進行係などさまざまですが、まずは喪主・遺族が各世話役を取りまとめる「世話役代表(葬儀委
員長)」を選んで、葬儀全体の総指揮を依頼するのが一般的な流れで、各係の選出は、喪主と世話役代表で相談して決める場合や、相談役代表に一任する場合
もあるようです。(北信地域では亭主役と呼ばれます。)
 世話役代表は、親族の中の年長者、喪主が信頼する友人、喪主の会社の上司などに依頼するのが一般的ですが、長野県の場合、地縁関係が深い地域では、世話役代表を町内会の役員に、受付や会計を近隣所の男性に、台所係を女性に依頼する場合も多くあるようです。また故人が会社員などで、勤め先から手伝いの打診があり、職場関係の弔問が多いと予測される場合は、受付係や接待係などを勤務先にお願いするケースもあります。
 最近は葬儀社が世話役を代行するケースも増えています。


【主な世話役の種類と役割】

●世話役代表
遺族や葬儀社との打ち合わせに参加し、各係の担当者を決めて、仕事を指示する役割です。寄贈品や供物の管理を担当し、供物の並び順などにも指示を出します。
●受付係
通夜・葬儀の受付で弔問客・会葬者に対応する係です。香典を預かり記帳への記録を確認、また会葬礼状や返礼品を渡す準備も担います。
●会計係
香典を含む葬儀全般の金銭の出納を管理する役割です。香典袋にかかれている金額と、内容があっているかも確認します。トラブルを防ぐために、確認は複数人で行います。
●会場係
会場で僧侶や弔問客・会葬者を案内する係です。
●台所・接待係
接待用の茶菓子や通夜振る舞いの手配、僧侶の接待、弔問客・会葬者の接待を行う役割です。
●進行係
葬儀の進行について世話役代表や葬儀社と打ち合わせ、弔電の整理や式の司会進行を担当します。

 

【世話役へのお礼】

 喪主は葬儀の翌日か翌々日には世話役にご挨拶にうかがい、お礼の言葉を述べて、心づけや品物を贈るのが一般的です。現金の場合は世話役代表が5,000円~10,000円、世話役が3,000円~5,000円ほど、と言われています。品物なら菓子折やタオルなどの実用的なものがよいでしょう。ただし、隣近所の協力関係の強い地域の場合は、あらかじめ事情に詳しい人に相談することをおすすめします。表書きは「志」や「御礼」としましょう。

 

通夜、葬儀、出棺・火葬、精進落としなどの場面での世話役の具体的な仕事内容などは『長野の葬儀』に掲載しています。