長野の葬儀

「いまどき」の長野県の相続・お墓・お葬式のことがよくわかる

喪主・親族の心得⑦ 通夜の準備

2021年03月10日

 【弔問客を迎える準備】

 葬儀社のスタッフが祭壇や式場の設営をしている間に、喪主や遺族は、葬儀社の担当者や世話役代表と打ち合わせをしながら、弔問客を迎える準備をすすめます。

 【遺影】

 祭壇に飾る遺影は、表情のよい写真、故人らしさを感じさせる写真を使いましょう。昨今は畏まった表情よりも、おだやかな笑顔の写真を選ぶケースが多いようです。デジタルデータの加工・合成技術がすすんでいるのでスーツや着物姿を合成させたり背景を変えることも可能ですが、できるだけ解像度の高い、より鮮明なものを探しましょう。

 【現金の準備】

 葬儀にかかる費用の概算が出たら全費用の4分の1程度は現金で用意しておくと安心です。故人名義の預貯金は金融機関が名義人死亡の事実を把握した段階で凍結され、基本的には相続が確定するか法定相続人全員の署名、押印がなければ引き出すことは不可能です。(法改正で2019年7月から預貯金の一部を出金できるようになりました。)

【返礼品・会葬礼状】
 通夜の「返礼品」は、以前は通夜振る舞いに出席しない弔問客に渡すものでしたが、最近は弔問に訪れた全員に渡すケースが主流になっています。
 返礼品を何にするか、自分で決めたいと考える人もいるかもしれませんが、喪主や遺族は多忙なので葬儀社に依頼したほうが無難です。定番はお茶、海苔、お菓子、タオルなど、金額は地域によって異なるようです。
 葬儀の会葬者に後日、改めて送るものだった「会葬礼状」も、近年は通夜・葬儀の当日に返礼品とあわせて、受付が式場出口で渡すケースが増えました。お清めの塩を入れた小袋とセットで手渡す場合がよくあります。忌明けに渡すのが一般的だった「香典返し」も、一緒に渡すケースも増えています。
 会葬礼状の文面は葬儀社に定型文が用意されているのがほとんどですが、喪主が心を込めて自由に書いても構いません。
 返礼品、会葬礼状、香典返しは想定している弔問客・会葬者の数よりやや多めに用意しておきましょう。

 

【仮通夜】
 通夜は本来、遺族や親族が夜通しで遺体に付き添い、故人との別れを惜しんで霊を慰めるものでした。しかし最近は、亡くなった日の夜が遺族だけの「仮通夜」、翌日の夜が弔問客を招いての「通夜」、そのまた翌日が「葬儀・告別式」というケースが一般的になり、葬儀に参列しない人が、通夜に訪れる場合も多くあるようです。
 さらに近年は、臨終後すぐに遺体を葬儀会場併設の通夜専用施設(安置室)に搬送することが増えたため、仮通夜を行うこと自体が少なくなってきているといいます。
 仮通夜は、親族が自宅で故人と過ごすことができる最後の夜であり、仮に訃報を知ってきた弔問客がいたとしても、仮通夜そのものには参加はしないものです。
 仮通夜を行うか、行わないかは、事前に僧侶と葬儀社に相談をして、結論を伝えておきましょう。

【喪服の準備】
 通夜・葬儀を通して遺族は喪服で礼装します。用意がない場合はレンタルすることを考え、すぐに手配をしましょう。貸し衣装店や美容室のほか、葬儀社が対応してくれるケースもあります。料金は和装で1万円ぐらいから、洋装5,000円くらいからが相場で、近年は洋装が一般的、和装にこだわらない喪主・遺族も多いようです。
 ただし、礼服には格があり、これに則って着る喪服を選ぶ必要があります。喪主やその配偶者は通夜が準礼装、葬儀が正礼装、故人に近い遺族は通夜、葬儀とも準礼装、親族・近親者は通夜が略礼装、葬儀が準礼装を基準に考えましょう。世話役代表は喪主の格を越えないようにします。

 会葬礼状の例文、身だしなみのマナーなどの詳しい情報は『長野の葬儀』に掲載しています。