長野の葬儀

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喪主・親族の心得⑨ 葬儀・告別式

2021年04月09日

【葬儀と告別式の違い】

 葬儀は、遺族・親族が故人の死を悼み、導師の読経によって浄土へ導くための重要な宗教行事です。これに対して告別式は、故人の友人・知人など、生前に交流のあった人たちが故人に最後の別れを告げる儀式で、かつては遺体を火葬場や墓地に送る「野辺送り」の後に行われるものでした。
 現在は野辺送りをすることが少なくなり、ほとんどの場合、葬儀と告別式は同じ流れの中で行われます。


【葬儀・告別式の流れ】

 葬儀と告別式をわけて行う場合、正式には葬儀終了後、僧侶がいったん退場し、閉式の辞があって、休憩をはさんでから改めて僧侶が入場して、告別式に移ります。
 しかし最近は、司会者が「引きつづき告別式に移ります」と告げて進行するケースが多く、ふたつの違いはより曖昧になりつつあり、「葬儀・告別式」=「葬儀」という認識が広がってきているようです。
 なお、葬儀の内容は宗派や地域によって違いがあります。宗派によっては「引導を渡す(死者に迷いを捨てて悟りを開くよう説き聞かせる)儀式」などを行う場合もありますので、事前に僧侶や葬儀社に確認しましょう。

 

【葬儀の席次】

 葬儀の席次は会場が異なっても、基本的には通夜の場合と一緒です。会場が椅子の場合も座敷の場合も、ほぼ同じと考えて差し支えありません。自宅など狭い場所で行う場合は、葬儀社に相談をしてみましょう。

 

【焼香】

 通夜同様、葬儀を葬儀社のホールなどで行う場合、焼香は「立礼」が多く、自宅や寺院で行う場合は「座礼」や「回し焼香」になることが多いでしょう。また焼香の作法や数珠の使い方は、宗派によって異なりますので事前に確認をしておきましょう。

 

【体調不良と子ども連れ】

 緊張の連続で体調を崩す遺族も少なくありません。とくに高齢の遺族には周囲で気を配り、気分が悪いようなら、目立たないように連れ出し控室で休ませましょう。
 また小さな子ども連れは入口に近い場所に席を設定してもらい、泣き出したらすぐに外に出られるようにしておくとよいでしょう。乳幼児を抱いている場合、無理に焼香をする必要はありません。故人を偲ぶ気持ちが大切なので、臨機応変に対応しても差し支えはありません。


【初七日法要】

 初七日法要は本来、亡くなった日を入れて七日目に行う法要ですが、遺族・親族の負担を考え、最近は葬儀当日に繰り上げて行うことが多くなりました。葬儀(・告別式)の終了後につづけて行われ、遺族・親族のみが焼香します。繰り上げ法要を行った場合は、初七日の日に改めて法要を行う必要はありません。
 なお宗派や地域によって、葬儀(・告別式)、火葬、還骨法要、初七日法要、精進落としの順番は大きく異なる場合があります。初七日法要を火葬・還骨前に行う地域では「繰り上げ初七日法要」ではなく「繰り込み初七日法要」と呼ぶ場合もあるようです。

 

【香典返しを渡すタイミング】

 香典返しは四十九日の忌明け後に直接出向いて、お礼とともに渡すものでしたが、最近は挨拶状と一緒に発送したり、さらには通夜や葬儀の当日、返礼品や会葬礼状と一緒に、会葬者が帰るときに会場出口で渡す場合も増えています。
 金額的には香典の30~50%程度、品物としてはお茶やお菓子、乾物類など、後々残らない消耗品が多いようですが、カタログギフトなども利用されているようです。葬儀社と相談して決めるとよいでしょう。
 かけ紙は白黒の結び切り水引を使い、表書きは薄墨で「志」とすると、宗教を問わず使えます。ほか仏式では「忌明志」も使われます。

 

【忌中札】

 自宅で通夜や葬儀を行うとき、玄関先に不幸があったことを知らせる「忌中札」をかける場合があります。
 本来は上下を逆にした竹のすだれに「忌中」の文字とともに通夜、葬儀の日時を書き加えた半紙大の紙を貼っていましたが、最近は「忌」の文字だけを書いた簡単なものを玄関に貼ることが多いようです。

 

自宅で通夜・葬儀を行う場合などの、詳しい情報は『長野の葬儀』に掲載しています。