長野の葬儀

「いまどき」の長野県の相続・お墓・お葬式のことがよくわかる

喪主・親族の心得⑩ 出棺

2021年04月22日

【最後のお別れ 花入れの儀】

 後火葬の場合、葬儀が終わったら、遺族・親族を中心に、棺の中の遺体の周りを花で飾り、故人に最後のお別れを告げます。
 まず祭壇から棺をおろし、ふたを開けます。葬儀社の人がお盆に載せた花を用意してくれますので、ひとり一輪ずつ受け取って、縁の深い人から順に遺体の周りに置いていきます。知人・友人でも希望する人がいたら一緒に参加してもらってもかまいません。火葬場に同行する人以外は、これが故人の姿を見る最後の瞬間になるので、心残りのないよう、お別れを済ませてもらいましょう。

【釘打ちの儀】

 故人との最後の対面が済んだら、棺のふたを閉じて釘を打ちます。葬儀社の人が半分ほど打ち込んだ釘を喪主、遺族、近親者、友人・知人の順に小石で軽く2度叩きます。小石は三途の河原にある石を意味しています。故人が無事に川を渡れるようにと祈りましょう。全員が釘を叩き終えると葬儀社の人が釘を完全に打ち込みます。
 宗派や地域によってはこの「釘打ちの儀」を行わないこともあります。また最近は釘打ちを必要としないタイプの棺も普及し、この儀式は次第に省略化される傾向にあるようです。
 長野県内では、中信地域と諏訪地域に比較的「釘打ちの儀」を行うところが多く、長野市周辺ではほとんど行われていないようです。

 【出棺】

 棺に釘が打たれたら遺族、親族、親交のあった友人などの男性数人で棺の両側を持ち外に運び出します。霊柩車までは、位牌を持った喪主のあとに遺影、骨箱を持った遺族がつづき、棺を先導します。棺は足のほうが先になるように運びます。
 棺が霊柩車に納められたら喪主は見送りの会葬者にあいさつをします。遺影、骨箱を持った遺族は喪主の隣にならび、あいさつが終わったら一緒に、会葬者に向かって一礼します。

―出棺時の挨拶の例―

【自宅からの出棺】

 最近は住宅事情が変わったため、あまりこだわらなくなりましたが、以前は遺体を自宅から運び出す際、玄関以外から出す、正門を通らないようにする、などのしきたりがありました。これには日常の作法と逆のことをすることで「死」との縁から遠ざかるため、故人の霊が戻ってこないようにするため、といった意味があります。

【火葬場に同行する人】

 火葬場へは喪主と遺族、親族のほか、ごく親しかった人のみが同行します。火葬場で読経してもらう場合は僧侶にも来ていただきます。火葬場に向かう道中は霊柩車を先頭に、次の車に喪主と遺族が僧侶と乗り、その後ろの車に故人と縁の深い順に乗ります。車中の最上位席は運転席のうしろで、つづいて助手席のうしろ、後部座席の中央、助手席の順です。僧侶が同行する場合は最上位席に案内します。

【火葬場に持参するもの】

 火葬場に行く際に忘れてはならないのが死亡届を役所に提出した際に発行される「埋火葬許可証」です。最近は法的手続きを葬儀社が代行し、書類を管理している場合も多いようですが、遺族が手続きをした場合は、持参する人を必ず確認しておきましょう。また火葬には約1時間以上の時間がかかるので、お茶やお菓子なども持参し、同行者をねぎらうのもよいでしょう。ほか位牌、遺影、運転手などに渡す「心づけ」も持参しましょう。表書きは「志」「御礼」「寸志」などになります。

―長野県の火葬場一覧―

 

出棺に関する詳しい情報は『長野の葬儀』に掲載しています。