長野の葬儀

「いまどき」の長野県の相続・お墓・お葬式のことがよくわかる

喪主・親族の心得⑫ 葬儀後から納骨・埋葬まで

2021年05月31日

【会葬礼状と香典返し】

 本来、会葬礼状は一般の会葬者に対してあいさつまわりに行く代わりに郵送するものでしたが、最近は通夜、葬儀のときに会場出口で返礼品と一緒に手渡しする略式が一般的になっています。
 返礼品はお茶、海苔、お菓子、タオルなど誰もが日常的に使う消耗品がよいとされています。これは俗に「添え物」と呼ばれるもので、悲しみを後に残さないという意味があります。
 香典はもともと葬家の金銭的な負担を軽くする相互扶助的なものですから、お返しの必要はありませんでした。しかし現在は、「香典返し」として香典金額の30~50%相当の品物を渡して感謝の気持ちを表すのが一般的になりつつあります。

 【世話役からの引き継ぎ】

葬儀が終わったら世話役から芳名帳や香典帳などを引き継ぎます。会計係との引き継ぎは、香典帳や出納帳はお金に関わることなので、請求書や領収書と出納帳を照らし合わせなど、不備のないように気を付けます。ほかの世話役の立て替えがないかも確認しましょう。受付係には会葬者からメッセージなどがないかを確認します。後日あいさつまわりに行った際に、メッセージを受けてのお礼などを伝えることができます。
 精進落としの前に引き継ぎができれば、世話役たちにも安心して食事をしてもらえます。時間があれば先に引き継ぎを済ませましょう。

【あいさつまわり】

世話役代表、弔辞をいただいた人、隣近所などには、葬儀が終わってから2~3日の間に、喪主自らあいさつに伺います。お礼の品はとくに渡さないのが普通のようですが、金を包む場合は世話役代表が5000円~10000円、世話役が3000円~5000円ほど、と言われています。品物なら菓子折やタオルなどの実用的なものがよいでしょう。
 表書きは「志」や「御礼」とします。ただし長野県でも隣近所の協力関係の強い地域の場合は、あらかじめ事情に詳しい人に相談することをおすすめします。金額は逆に高すぎてもよくありません。
 また自宅で葬儀を行った場合など、駐車場のことなどで迷惑をかけた隣近所には菓子折りなどを持って、早めにあいさつに伺うようにしましょう。故人が在職中だった場合は、日を置かずに会社にもあいさつに伺い私物整理などをします。 

 服装は喪服が正式とされていますが、特別に目上の人でない限り、地味なものであれば平服でもかまいません。

【忌引き期間】

配偶者や両親、子どもなどの一親等、祖父母や兄弟姉妹など二親等の血族が亡くなった場合などに一定期間、喪に服することを「忌服」「服喪」といい、会社や学校を休む「忌引き期間」は、欠勤や欠席の扱いにはなりません。期間は所属する会社や組織によって異なりますので、就業規則などをあらかじめ確認しておきましょう。表は一般的な公官庁の服務規程です。

 葬儀が終わってから数日間のお休みを使って、喪主、遺族はお世話になった人へのあいさつまわりを行います。

【寺院へのお礼】

お寺へのお礼も早めに伺いましょう。お布施はお経をあげていただくたびに、その都度渡す場合と、最後に一括で渡す場合、枕経だけ先に渡す場合など、地域や寺院によってさまざまです。金額も寺院の格式や葬儀の規模、葬家の経済状況などで変わってきます。直接、寺院にたずねてみましょう。

 また、お布施を含めた葬儀費用は相続税の控除対象になりますので、領収証を要求するのは失礼にはあたりません。お布施を渡す際に「おしるしをお願いします」と申し出て、領収証を発行してもらいましょう。

【納骨・埋葬】

 葬儀が終わってしばらく経ったら、自宅に安置していた遺骨をお墓に納める「納骨」を行います。納骨の時期は決まってはいませんが、一般的には忌明けの四十九日法要とあわせて行うことが多いようです。
 地域によっては葬儀の当日に初七日法要、さらには四十九日法要までを繰り上げて行い、同時に納骨を済ませてしまう場合もあるようです。
 納骨の日が決まったら、寺院、墓石・石材店、墓地の管理事務所に連絡し、カロート(納骨室)のふたを開ける手配をしておきましょう。

【納骨式】

お墓に納骨をする際に行うのが「納骨の儀」「納骨法要」です。遺族のほか故人と親しかった友人・知人を墓地に招いて、僧侶による読経、参列者の焼香を行います。また、宗派によっては追善供養の卒塔婆を立てる場合もあります。卒塔婆が必要なときは事前に僧侶と相談し準備をしてもらいましょう。
 当日は火葬場で受け取った「埋葬許可証」を持参します。土葬の風習が残っていたころ、納骨と埋葬は異なる意味を持っていましたが、現在では火葬した遺骨をお墓のカロートに納骨すること、もしくは寺院の納骨室に納骨することで、埋葬が完了したことになります。

 納骨式の後は参列者を招いて供養のための会食の席を設けます。会場は料亭、レストランなどを利用するケースが多いようですが、自宅でもかまいません。会食には僧侶も招き、出席していただいた場合は上座をすすめます。
 僧侶へのお礼は「お布施」と「御車代」をわけて、会食を辞退した場合は「御膳料」も渡しましょう。

【遺骨の持ち運び】

遺骨を運ぶ際は、必ず喪主を含む遺族の2人以上で運ぶようにします。遺骨の包みは両手で抱えるように持ち、決して片手でぶら下げて持つようなことはしないようにしましょう。電車に乗るときなどは膝の上に大事に抱え網棚や足元に置くことは避けましょう。

【お墓がない】

お墓がない場合は、用意ができるまでの間、遺骨は自宅の祭壇に安置しておくか、寺院や霊園の納骨堂に一時的に預かってもらう「仮納骨」をします。遅くとも一周忌か三回忌を目途にお墓を用意し、正式な納骨を行うようにしましょう。

【仏壇の用意】

仏壇は寺院の本堂を模したもので、宗派の本尊を祀って祖先の位牌を置き、日々のお勤めをするためのものです。葬儀のときに使って、後飾り壇に飾った白木の仮位牌は、四十九日の忌明けまたは納骨の際に菩提寺に納め、代わりに「本位牌」(または過去帳、法名軸な
ど)を仏壇に置いて、先祖とならべて祀ることになります。本位牌は仏具店などで買い求め、
戒名を書いてもらいます。
 家に仏壇がない場合は、仮位牌を本位牌にするときにあわせて購入するとよいでしょう。仏壇に本位牌が納まったら、毎日のお勤めを行いましょう。

【2種類の仮位牌】

 白木の仮位牌には内位牌と野位牌の2種類があります。地域によっては1種類のみを使用するなど、いわれは諸説ありますが、内位牌は納骨後、本位牌と入れ替えで菩提寺で焚き上げられ、野位牌は墓石に故人の名前が刻まれるまでの間、お墓に置かれるのが一般的なようです。

【形見分け】

四十九日を過ぎたら、遺族は故人の遺品整理を行います。装飾品、収集品、文房具などの愛用品を親族や親しかった友人などに贈る風習を「形見分け」といいます。誰に何を贈るかは、遺言があればそれに従いますが、なければ遺族が相談のもと決めることになります。貴金属は相続税の対象になるので注意しましょう。包装しないで渡すのが礼儀といわれています。

葬儀後から納骨・埋葬までなどの詳しい情報は『長野の葬儀』に掲載しています。