長野の葬儀

「いまどき」の長野県の相続・お墓・お葬式のことがよくわかる

喪主・親族の心得⑭ 法要〈2〉

2021年07月02日

【法要の流れ】

 

法要には基本的に決められた儀式はありません。寺院で法要を行わない場合は、僧侶を会場に迎えて読経をしていただき、つづいて焼香を行います。

①僧侶を迎える
 寺院以外の場所で法要を行う場合は、僧侶を送迎するのが礼儀です。僧侶には別室を用意しましょう。別室に通したら、改めて施主はあいさつに伺い、お茶菓子などでもてなします。

②僧侶の読経
 参列者は会場で僧侶を待ちます。僧侶が入場して読経を始めたら、静かに拝聴します。

③焼香
 読経の途中で僧侶から合図があるので、施主から故人に縁の深い人の順に焼香を行います。

④僧侶の法話
 読経のあと僧侶からの法話が始まります。法話の内容は僧侶に一任するのが一般的ですが、希望があれば事前にその旨を伝えておきましょう。法話が終了したら一同で合掌し、法要は終了します。

⑤お墓参り
 寺院で法要を営むときやお墓が近い場合は、参列者一同でお墓参りをします。僧侶にも同行していただき、墓前で読経してもらうこともあります。お墓が遠い場合は後日、家族だけでお墓参りをしましょう。

⑥会食のあいさつ
 法要後、参列者に感謝の意味を込めて、おもてなしの席を用意します。施主は参列者にお礼のあいさつを述べます。

⑦会食
 僧侶を上座に、親族、友人とならび、施主と家族は末席に座ります。食事が終わったら施主は参列者にお礼を述べ、引出物を渡してお開きとします。

【会食の省略】

 法要の規模は縮小化する傾向にあり、会食を省略するケースも増えています。会食をしない場合、できれば法要の案内でその旨が伝えられれば参列者も当日の予定が組みやすいでしょう。
 また法要が終了した時点でお礼のあいさつとともに参列者に伝え、参列者が帰る際に、用意しておいた折り詰めや小瓶のお酒を渡すのが一般的です。

【精進料理】

 四十九日法要までの料理は精進料理にすることが本来ですが、最近はほとんどこだわらなくなっているようです。
 ただし、料亭や仕出し料理店に料理を依頼する場合は、慶事用の料理メニューが入らないように、法要であることをきちんと伝えておきましょう。

【法要のときの服装】

 施主は喪服を着るのが基本です。特に三回忌までの大きな法要では正礼装や準礼装を着ます。それ以降の法要は略礼装や、紺もしくはグレーの地味な平服でかまいませんが、参列者より軽い服装にならないように気をつけましょう。
 男性はダークスーツに地味なネクタイと靴下、女性は地味なワンピースやスーツが一般的です。アクセサリーは目立たないものにしましょう。

【卒塔婆(そとうば)供養】

 卒塔婆は、故人や先祖を供養する目的で年忌法要の際などに、お墓の後ろに立てられる長さ1~2mほどの細長い板のことです。故人の戒名やお経、没年月日などが書かれます。卒塔婆を立てることは「善を積む行い」とされ、故人の冥福につながると考えられています。
 卒塔婆供養を行う場合は、法要の当日に間に合うように事前に寺院にお願いしておきます。法要の日時を決める際に依頼しておくとよいでしょう。「卒塔婆料」は寺院によって違うので、これも事前に確認しておきましょう。
 なお、浄土真宗は亡くなった後すぐに浄土へ往生すると考えるため、卒塔婆を立てる習慣はありません。

【寺院へのお礼】

 法要を営むときは僧侶にお布施を渡します。タイミングとしては、最初に施主が僧侶にあいさつする際に渡すのが一般的です。金額に決まりはありませんが、法要の規模や寺院との関係の深さなどを考え、判断に困ったときは寺院に直接聞いてもよいでしょう。

 自宅や会場に僧侶を招いて法要を営む場合は、お布施とは別に「御車代」を用意しましょう。
また僧侶が会食を辞退した場合も「御膳料」を渡すようにします。「御車代」「御膳料」「卒塔婆料」とも奉書紙か半紙、または白い封筒を使って、別々に渡します。

【法要ができない場合】

 施主が病気の場合など、さまざまな理由で法要ができないときは、形式にこだわらず、できる限りの方法で故人を追悼し、供養することを考えましょう。僧侶に連絡して法要の日に寺院で読経してもらう、自宅の仏壇の前でそろうだけの家族でお参りをする、故人を偲んでゆかりの知人を招いて会食をするなど、法要は形にとらわれずに行うことができます。