長野の葬儀

「いまどき」の長野県の相続・お墓・お葬式のことがよくわかる

お葬式の基礎知識

2021年10月28日

【多様化するお葬式の形】

 日本人の約9割が僧侶の読経を伴う仏式(仏教式)で葬儀行っていますが、最近は宗教や儀礼にこだわらない傾向も強くなってきています。
 葬儀の形式には仏式のほかに神式(神道式)、キリスト教式など特定の宗教による形式と、無宗教の形式によるものがあります。無宗教の葬儀には自由葬、音楽葬、お別れ会、偲ぶ会、生前葬などと呼ばれるものなどがあり「お葬式の生前予約をする人」が増えるにつれて、多様化がすすんでいます。
 また葬儀の規模を表すものとして最近は一般葬、社葬、密葬などに加えて、家族葬、一日葬、直葬なども一般的になりつつあります。自分はどんなお葬式を行いたいのか、種類や規模を想定しておくと生前予約など、葬儀社との相談の場面でも役に立つでしょう。

【増加する生前予約】

 最近は、遺族の負担を極力少なくしたい、自分の亡くなったときの葬儀のイメージをしておきたい、などの理由で互助会などに加入し、葬儀の「生前予約」をする人が増えています。葬儀の形式、規模、予算、任せる葬儀社、お墓などについて大筋で決めておいて、エンディングノートに記入しておく、いわゆる「終活」ですが、遺族が円滑に葬儀をすすめられる点や、費用の割引がある点などメリットも多いようです。積立まではしなくても「見積りだけはとっておく」「掛け捨て1万円の会員にはなっておく」など、元気なうちから葬儀社と何らかの接触をもつ人は、今後もさらに増えていく傾向にあるようです。

【無宗教葬や小規模葬】

 無宗教葬の場合、寺院墓地によっては埋葬を断わられるケースがあります。もしも現在、菩提寺がある場合は今後、その寺
院との関係をどうするのかを含め、埋葬場所の確保や後々の供養の方法までを考える必要があります。「導師の読経と戒名をいただく仏式の自由葬」などを計画する場合もあるようですが、前例の少ない独自形式であるため、遺族に負担をかけることも少なくないようです。
 また家族葬などの小規模な葬儀は、経済的な負担が少ないようでいて、香典が期待できないゆえに「収支的には一般葬と大きな違いがなかった」というケースもあるようです。結果的に、お付き合いの範囲を狭くして義理を欠いたため、その後の人間関係を悪くしてしまったという話もあります。
 葬儀を生前に計画する際は、自分の希望だけでなく遺される家族のことまで考えて慎重に検討する必要があります。

【葬儀社選び】

 希望するお葬式の規模や形態が固まったら、それを実現することができる葬儀社を探しましょう。
 最近は昔からの葬儀社、互助会、JAなどのほかに、ウェブの仲介サイトや、大手スーパーが仲介業に参入するなど、こちらも事前相談の増加とあいまって、多様化がすすんできています。 
 基本的には居住地の近くの葬儀社にお願いすることになりますが、この段階で自宅と通夜、葬儀会場、火葬場、菩提寺、墓地の位置関係や距離感を考慮しておくことも重要なファクターです。これらは弔問・会葬者の利便性だけでなく、葬儀費用にも関わる部分です。

【足を運んで判断する】

 新聞、チラシ、雑誌、ウェブサイト、知人・縁者の噂や評判などから情報を集め、近隣の葬儀社の情報がある程度まとまったら、実際に葬儀社に連絡をして、その葬儀社が主催しているセミナーや相談会、見学会などに足を運んでみましょう。スタッフなどと実際に話をしてみた結果、自分の思い描く葬儀を実現できそうだったら、見積りを依頼しましょう。
 見積りは1社である必要はありません。気になる葬儀社すべてに依頼して、比較検討することも大切です。結果的に、自分の譲れない部分、譲ってもいい部分が見えてきて、コストカットの基準が判断できるようになるはずです。