長野の葬儀

「いまどき」の長野県の相続・お墓・お葬式のことがよくわかる

弔問・会葬マナー④ 通夜の弔問

2020年09月25日

【通夜への参列】

 通夜は本来、遺族や親族が夜通しで遺体に付き添い、故人との別れを惜しんで霊を慰めるものでしたが、亡くなった日の夜を遺族だけの「仮通夜」とし、翌日の夜は弔問客を招く「通夜」を行うようになりました。葬儀に参列できない人が、通夜に訪れるというケースも増えているようです。
 遅刻は大きなマナー違反ですので、定刻の10分前には会場に着いているようにしましょう。


通夜の流れ
①受付
②着席(席次が決められているときは従い、決まっていないときは前から順に)
③僧侶入場
④僧侶読経(通常は30~40分ほどお経が読まれます。)
⑤焼香(遺族・親族につづいて一般弔問客が並んで順番に焼香をします。)
⑥僧侶退場
⑦通夜振る舞い
※仏式の一例。宗派・地域などによって内容・順番は変わることがあります。


【通夜の服装】

 通夜の服装は、地味なものであれば普段着で構わないとされ、略礼装のダークスーツなどで出席し、正式な喪服の準礼装は「死を予期して用意していたようだ」ということで着用を避けるのがマナーでした。しかし最近は、通夜と葬儀の違いが曖昧になってきているため洋装であれば、通夜、葬儀・告別式ともに準礼装のブラックスーツで参列する人も多くあるようです。
 女性の宝飾品は一連のパールや黒の髪飾りなどまでで、光沢のあるものは控えましょう。また黒いストッキングを用意しましょう。このほかの持ち物は、袱紗か小さな風呂敷に包んだ香典、数珠、白いハンカチなどです。

【受付と香典の渡し方】

 通夜は午後6時ごろからはじめて1~2時間で終わるのが一般的です。
 会場に着いたら受付を済ませます。「このたびはご愁傷様でございます」「心よりお悔み申し上げます」などの、お悔みの言葉を述べて香典を渡し、住所と氏名を記帳します。会社関係の場合は会社名と会社の住所を書きましょう。
 香典は両手で持って、受付の人が読める向きで渡します。受付が済んだら「お参りさせていただきます」とあいさつし、会場に入りましょう。参列者が大勢いるようなら事前に香典袋を袱紗から出しておきましょう。
 代理で参列する場合は、受付で誰の代理なのかを伝え、香典を渡します。上司の代わりに記帳する場合、会社名、上司の部署名、役職名、名前を書いた下や横に小さく「代」と書きます。また、妻が夫の代理で参列するときは、夫の名前の下や横に「内」と書きます。自分が故人と面識があって供養の気持ちを伝えたいときや、受付係に名前の記帳を依頼された場合には「代」や「内」の下に名前を書きます。

【通夜振る舞い】

 通夜振る舞いは、通夜のあとに故人を偲ぶ場として行われる食事会です。遺族から誘いを受けたら出席して料理をいただきましょう。通夜振る舞いでは、お箸をつけることが供養になるとされているため、参加する場合は一口でも口にするのが礼儀です。故人以外の話をしたり、明るく笑ったり、大きな声を出すことは控え、故人の思い出を語りながら、遺族を慰めます。通夜振る舞いはおおよそ30分~40分。途中で退席する場合は、周囲の人と遺族にあいさつをして帰りましょう。

 

【不祝儀袋の選び方・使い方】

◆御霊前
一般的な表書き。通夜から葬儀、法事まで宗派を問わず使える表書きです。水引は黒白か双銀の結び切りを。ハスの絵が描かれたものは仏式専用です。
◆御仏前
四十九日法要を境に、御霊が仏になることから四十九日法要前は「ご霊前」と「ご仏前」、どちらを使うか注意が必要です。四十九日法要前に渡すときは「ご霊前」が正式す。また、浄土真宗の場合は即成仏という教えがあるため通夜から「御仏前」を使います。

◆御供物料
供物を供えてくださいという意味の表書きです。
◆御香料・御香典
香の代わりにお供えする、という意味の表書きです。通夜から葬儀まで使えます。

包む金額に見合った不祝儀袋を選ぶようにしましょう。イラスト左から、水引印刷は3,000円~5,000円、奉書紙に黒白水引は7,000円~20,000円、高級和紙に双銀は30,000円~50,000円、豪華水引は50,000円~100,000円です。

◆中包みの書き方
中央に「金参萬圓」などと書きます。中包みも毛筆か筆ペンを使いましょう。なお裏は、故人と親しくしていても、遺族にはわからない場合もあります。送り主の住所と郵便番号、氏名を明記しましょう。数字は「 壱 弐 参 四 伍 六 七 八 九 拾 百 阡 萬 圓 円 」を使います。

◆中包みの折り方(イラスト右から
①半紙を斜めに置いて、真中にお札を表に向けておきます。半紙の下の角をお札の輪郭に沿って上に折ります。
②左端の角と右端の角を、お札の輪郭に沿って内側に折ります。
③図の点線で、お札の輪郭に沿って山折りします。
④余った部分を折り返して開口部に挟み入れます。
⑤三角になっている部分を右下にして使います。(結婚式のときは三角を左上にして使います。)

◆弔事用袱ふくさ紗のたたみ方イラスト右から

①爪付きの場合は、爪の部分を左にして不祝儀袋を中央に置きます。
②右側の角をとって内側に折ります。
③下の角、次に上の角を内側に折ります。
④最後の左側を折って包みます。留め具が付いている場合は後ろでひっかけます。
※爪付き袱紗も台付き袱紗も、基本的には同じ包み方です。

 

⇒正しいブラックフォーマルのマナー、正しい席次、通夜と葬儀の両方に出席する場合の香典を渡すタイミングなど、詳しくは『長野の葬儀』に掲載しています。