長野の葬儀

「いまどき」の長野県の相続・お墓・お葬式のことがよくわかる

墓地・霊園の基礎知識

2021年11月16日

【墓地の種類】

 墓地はその経営母体によって「寺院墓地」「公営墓地」「民間墓地」の、大きく3種類にわけられます。

〈寺院墓地
 「寺院墓地」は寺院(宗教法人)が管理・運営している墓地のことを言います。一般的には寺院の敷地の中にある「境内墓地」のことを指しますが、現在では土地不足などの理由から、寺院から離れた土地に造成されたものも多くなっています。
寺院墓地は江戸時代の檀家制度が基礎になっている墓地で、使用する権利を確保するには、その寺院の宗派に属して檀家になる必要があります。檀家になると、入檀料や永代供養料、お布施、建物の改修のための寄付などの費用負担がありますが、寺院が近しい存在になることで、葬儀や法要の際に利便性があり、お墓を常に守っていてもらえるという安心感があります。

〈公営墓地
 都道府県や市町村などの自治体が管理・運営している墓地です。管理料や利用料が比較的安く、宗教や宗派のしきたりなどに制限されることがないのが特徴です。一般的に公営墓地は人気が高く、募集があったと同時に応募が殺到して、抽選倍率が高くなる傾向にあります。また公営墓地を申し込むためには、たとえば募集のあった自治体に一定期間以上住んでいることや、遺骨がすでにあること、お墓を受け継ぐ人がいることなど、細かい条件が設定されているケースが少なくありません。募集のあった際にしっかり確認しましょう。

民営墓地〉
 民間企業や宗教法人、財団法人などが管理・運営している墓地です。公営墓地に比べて規模が大きく、景観にこだわった公園のような雰囲気になっているところもあります。墓地の区画スペースも比較的自由で、法要を行うためのホールが隣接していたり、お墓掃除などのサービスがあるほか、募集数も多いので、入手しやすいのも魅力です。また宗教や宗派に制限がなく、資格条件も少ないなどのメリットもあります。ただしその分、使用料や管理費などの費用がかさむ可能性はあります。

【買うのは永代使用権】

「墓地を買う」ことは、その所有権を手に入れることを意味しません。土地の所有権はあくまで墓地の管理者が持っています。手に入れることができるのは、半永久的にそこを使用できる「永代使用権」であり、支払う代金は「永代使用料」です。
 永代使用権は期限がないのが一般的で、墓地は子孫に代々、受け継いでいくことができ、また第三者に譲ったり、売買することは基本的にできません。
 永代使用権を購入した人が高齢になったり、あるいは亡くなった場合は、墓地の管理者に届け出て、永代使用権の名義を親族に変更します。名義人になった人はその後、寺院墓地の場合は檀家としての責務を引き継ぎ、それ以外の墓地では墓地の管理費用などを支払っていくことになります。
 ただし「永代」の権利がそのままつづくということは実際には難しく、寺院の住職が代わったり、民間墓地の経営母体が変わったりしたときに、使用規定や管理料などの条件が改定されることもあり得ます。

【使用規定】

 墓地や霊園には、それぞれ使用規定が定められています。規定を守れない場合は墓地の返還を求められるケースもあるので、墓地を入手する際は、使用規定によく目を通しましょう。
 永代使用料や維持管理費などの総額が無理なく支払える金額か、購入できる墓地が自分の宗教・宗派に合致しているか、埋葬できる遺骨に親族のみなどの制限があるか、などは必ず確認しておく必要があります。ほかに、永代使用権の譲渡や継承の可能・不可能、墓石の形や大きさの制限、墓石を購入する際の石材店の指定、お墓を建てる時期や使用取り消しの条件なども確認しておきましょう。

【永代供養墓】

 核家族化や少子化がすすむ現代、跡継ぎがいないためにお墓を購入できないという人が増えています。こうした人の増加に伴って注目されているのが「永代供養墓」です。
 「永代供養墓」は、寺院や霊園が子孫に代わって供養を行いつづけてくれるお墓で、ひとりのお墓を埋葬する「個人墓」、夫婦の遺骨を埋葬する「夫婦墓」、家墓にとらわれない人たちがひとつのお墓に埋葬される納骨堂や、「合祀墓」などがあります。
 永代供養墓にも資格や条件があるので、応募の際には細かく確認をしましょう。

【樹木葬】

 少子高齢化・核家族化、墓地不足、自然回帰志向などの社会的背景から、いま樹木葬が注目を集めています。樹木葬は、墓石の代わりに樹木を墓標とするお墓のことで、シンボルとなる樹木の周辺を小く区切って埋葬するケースのほか、遺骨を埋葬するたびに新しい苗木を植えるケースなどもあります。民間だけでなく寺院墓地や公営も墓地でも、樹木葬エリアが次々と造成されています。

【自宅の敷地にお墓】

 「遠く離れた墓地よりも自宅の敷地内にお墓を建てて供養したい」などの要望は現在、認められていません。「墓地、埋葬等に関する法律」で、お墓を建てられる場所は「墓地として都道府県知事の許可を受けた区域」と定められています。

【ペットと一緒に】

 ペットと一緒にお墓に入りたい場合、法律的には違法ではありませんが、許可のあるお墓でないと埋葬できないのが現状です。動物に対する考え方の違いや宗教観の違いなどにより、周囲のお墓の所有者が快く思わないケースもあるため、墓地管理者の許可がおりないところが多いようです。
 ペットのお墓を建てる場合、火葬許可証も埋葬許可証も不要ですが、公共の迷惑にならない場所である必要があります。飼い主の所有地またはペット専用の霊園に建てましょう。