長野の葬儀

「いまどき」の長野県の相続・お墓・お葬式のことがよくわかる

覚えておきたい用語集 葬儀編①

2022年03月17日

【安置室(あんちしつ)

 一般的に病院で遺体処置が終わると霊安室に運ばれますが、長時間にわたって霊安室を使用させてもらうことはできません。遺体を搬送する場所として、自宅に安置するスペースがない、近隣にはまだ知らせたくないなどの不都合がある場合は、葬儀社などの「安置室」を利用します。
 安置室に遺体を安置している間に、遺族は菩提寺の僧侶や葬儀社と相談して、枕経をあげていただく場所、通夜会場、葬儀の会場などを決定していきます。

【位牌分け(いはいわけ)
 葬儀の後、亡くなった親の位牌を別々に暮らす子どもたちが自宅に持ち帰って、それぞれの家で供養するという風習。もともと長野県特有、中でも長野、佐久、飯田地域などで行われていたようですが、核家族化がすすんだ最近は地域に関係なく、行われているようです。手続きとしては、葬儀の前に人数分の本位牌を葬儀社などに頼んで用意し、菩提寺に持参して書いていだきます。

【エンゼルケア(えんぜるけあ)
 死化粧、死後処置のこと。「エンゼルメイク」ともいわれます。医療器具の取り外し、創傷部位の手当、排泄物の処理、口腔ケア、腔部の詰めもの、全身清拭、着衣の装着、死に化粧など行い、死者を、人生の最期にふさわしい姿に整えます。残された家族のグリーフワーク(悲嘆に暮れる人がたどる心のプロセス)のひとつとしても、重視されつつあります。

【エンバーミング(えんばーみんぐ)】
 遺体を消毒や保存処理、また必要に応じて修復することで長期保存を可能にする技術。遺体から感染症が蔓延すること防ぐ目的もあります。日本語では「死体防腐処理」「遺体衛生保全」などの言葉があてられていて、葬儀社の見積りなどにも登場します。
 具体的には、遺体内に残る飲食物の残滓、体液、血液を吸引して除去したり、動脈から防腐剤を注入するなどの処置をして、遺体が常温でも保存されるようにし、さらに、遺体の全身と毛髪を洗浄、美容的な処置や化粧などで表情を整えます。
 故人があたかも生前のままに眠っているかのような、安らかな姿に修復して保つため、遺族の心のケアとしても有用な技術です。

【お墓ディレクター(おはかでぃれくたー)
 一般社団法人・日本石材産業協会が認定する資格で、お墓に関する幅広い知識と教養を兼ね備えた人のことをいいます。
 お墓の種類や形状、歴史や文化、石材の種類や加工法、墓地、埋葬に関する法律、供養に関する知識など、お墓に関する幅広い知識が問われる検定試験があり、お墓及びお墓の関連業に携わる人が受験します。合格者は2級、実務経験3年以上の2級取得者は1級となります。

カトリック(かとりっく)
 ローマ教皇を中心とするキリスト教の最大教派です。「カトリック」は「普遍的な」という意味で、世界のキリスト教を統合する中央集権的な組織を持ち、10億人以上の信徒数を有しています。

献杯(けんぱい)
 献杯は精進落としや法要のあとの食事会などの場面で行う、慶事の乾杯にあたる儀式で、世話役代表など、相応しい人に事前に依頼しておいて、音頭をとっていただきます。
 献杯には杯を故人に捧げて敬意を表す意味があり、乾杯のように杯を合わせて音をならしたり、飲み干した後に拍手をするようなことはしません。静かに「献杯」と唱和し、グラスなどを静かに上に掲げて口をつけます。

【護持会費(ごじかいひ)
 檀家が菩提寺に納めるお金です。寺院の維持に必要な費用を、檀家が全員で公平に分担するいわゆる「分担金」で、年ごとの年間納入額も、ほぼ決まっているのが一般的です。

骨壺(こつつぼ)
 遺骨を収納する壺。収骨のあと骨壺は骨箱に入れられ、白い風呂敷や布のカバーがかけられるのが一般的で、遺骨はお墓に埋葬されるまで、この状態で安置されます。
 骨壺のサイズは一般的に関西は小さく6寸(高さ20㎝・直径18㎝ほど)、関東は大きく7寸(高さ25 ㎝・直径22㎝ほど)といわれていますが、最近は分骨・手元供養、小型ペット用の2寸(高さ7㎝・直径6㎝ほど)から改葬儀の際に遺骨をまとめてしまうための大型サイズ(高さ35㎝・直径32㎝ほど)まで幅広く出まわっています。永代供養墓の納骨堂に安置する場合は、納骨スペースのサイズを事前に確認しておきましょう。また先祖代々のお墓に納骨する場合もお墓のカロートの中の空きスペースを調べておくこともおすすめします。
 素材も一般的な陶器から大理石仕様のものまでさまざまあり、デザインもシンプルな白いものから、彫刻するなどして手を加えたものまで、これにともなって価格も数百円から数十万円まで幅があります。骨壺ごと埋葬するのではなく、遺骨を直接お墓に蒔いてしまう風習の地域では、その後、骨壺の用途はなくなりますので、費用を考える場合は、重要なポイントになります。

【祭壇(さいだん)
 神や精霊、死者などに供物などを捧げるための儀式などで使用する、ほかより一段高く作った場所のことをいいます。仏教には葬儀用に設置する祭壇「葬儀壇」のほかに、四十九日まで設置される中陰壇、お盆の時期に設置される精霊棚(盆棚)、仏像を安置するための須弥壇など、さまざまな祭壇があります。家庭内に設置する仏壇も祭壇のひとつです。
 「葬儀壇」には、一般的な「白木祭壇」のほか、菊やユリなどで飾る「生花祭壇」、最近は家族葬などでよく利用されるシンプルな飾り付けの「棺周り祭壇」などの種類がありますが、宗派などによって飾り方に違いがあるので、菩提寺や葬儀社に相談して大きさや形状を決めましょう。ちなみに「白木祭壇」は「段」と「輿」から成る構造ですが、「輿」は土葬のころ、野辺送りで棺を運んだころの名残りで、最近はどんどん小さくなる傾向があるようです。