長野の葬儀

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仏壇の基礎知識①

2022年04月15日

【仏壇とは】

 仏壇は本来、崇拝の対象である宗派の本尊を祀って信仰するためのものですが、日本に古くから伝わる祖先信仰と結びついて、祖先の位牌を祀り、供養するための家庭祭祀の場としての役割も担っています。
 仏壇に祀られる本尊は釈迦如来や阿弥陀如来など宗派によって異なり、立像や座像、掛け軸など、その形もさまざまです。また本尊の両脇に、両脇仏を祀るケースもあります。宗派ごとのしきたりを色濃く残すのが仏壇の特徴なので、いわれなども含めて、菩提寺によく教えてもらうのもよいでしょう。
 一方、仏壇に安置する位牌は、故人の戒名を記した「故人の象徴」であり、故人を仏として祀り、崇拝するためのものです。ただしこれも浄土真宗のように、位牌の代わりに法名軸や過去帳を用いるなど、宗派による違いがあります。

【仏壇の構造】

 上段中央にある一段高くなったところが本尊を安置する場所です。ここは「須弥壇(しゅみだん)」と呼ばれ、仏教世界の中心で最も高い位置にそびえる「須弥山(しゅみせん)」をかたどった、聖域を意味します。また須弥壇の上にあるスペースは「空殿(くうでん)」と呼ばれ、仏教の求める理想の世界を象徴しています。
 仏壇は基本的に「須弥壇」を中心に構成され、須弥壇に本尊、その左右に両脇仏、本尊の下の左右に位牌を置くのが一般的です。ただし宗派によって本尊の祀り方や位牌の位置、仏具の飾り方などに違いがあるので、宗派のしきたりに倣って配置しましょう。

【仏壇の種類】

 仏壇はその材質や造りから「塗り仏壇」と「唐木仏壇」の、大きく2種類にわけられます。
 塗り仏壇は、金仏壇とも呼ばれ、漆塗りの上に金箔を施して鮮やかに造られています。主に杉や松、檜が使われ、近畿や東海、北陸地方などで多く見られる様式です。浄土真宗では、こちらの塗り仏壇の使用が推奨されています。
 一方の唐木仏壇は、黒檀や紫檀、桑、花梨、胡桃、桜、黒柿、欅などが使われ、金箔などの装飾は施しません。材質自体の上品な風合いや質感、重くて耐久性のある材質本来の良さをいかして造られるのが特徴です。主に関東地方から北で多く見られる様式です。

【住宅事情と仏壇】

 仏間に大きな仏壇、というイメージは昔のこと、最近は住宅事情を反映して、箪笥の上に置くような小さな仏壇も数多く販売されています。昔ながらの座って拝むスタイルの仏壇は「台付き仏壇」と呼ばれ、台の部分に数珠や線香、ロウソクなどを収納できるスペースがあるのが特徴です。 
 これに対し箪笥や棚の上に置ける小型の仏壇は「上置き型仏壇」などと呼ばれます。これ以外にも最近は、フローリングの部屋、洋風のリビングなどにもなじむ家具調の小さな仏壇などを購入する人も増えています。

【仏具について】

 仏壇には供物を供えたりする際に使うもの、読経や礼拝の際に用いるものなど、さまざまな仏具が配置されます。
 一般的な仏具にはロウソクを立てる燭台、線香などのお香を焚く香炉、茶湯器、仏飯器、供物を置く高坏、花立て、線香立て、読経用の経本、鈴、鈴台、鈴棒などがあります。