長野の葬儀

「いまどき」の長野県の相続・お墓・お葬式のことがよくわかる

仏壇の基礎知識②

2022年05月02日

【仏壇の購入】

 一般的には四十九日や一周忌などの法要や、お盆にあわせて仏壇を購入することが多いようですが、購入する時期に決まりはありません。費用を貯めてから購入することも可能ですし、新たに購入する場合は、家の新築や改築にあわせて、というケースも考えられます。
 仏壇は宗派によって種類やお祀りする本尊、仏具などが異なります。たとえば浄土真宗では、本願寺を模して内部が総金箔張りの仏壇にする、位牌は用いない、などの細かい決まりがあります。仏壇・仏具店では宗派ごとに商品をならべていることが多いので参考にしましょう。初めて仏壇を購入するときは菩提寺に購入する仏壇について確認しておくのもよいでしょう。
 仏壇の価格は大きさや材質によって大きく異なり、高いものでは数百万円するものもあります。一般的には100万円ぐらいまでのものが平均的とされています。

【位牌】

 位牌は表に戒名、裏に俗名や没年月日などを記した「故人の象徴」で、故人を仏として祀り、崇拝するための仏具です。
 葬儀の際に使用した白木の仮位牌は、自宅の中陰壇(後飾り)の祭壇に飾り、一般的には四十九日の忌明け後や納骨の際に菩提寺に納めます。これに代わって用意するのが本位牌で、仏檀・仏具店などで買い求め、戒名などを彫って(書いて)もらいます。仏壇に納める前には必ず菩提寺の僧侶に依頼して「開眼法要」を済ませましょう。
 なお、祖先の位牌が多くなって仏壇に納まりきらなくなったときは、複数位牌をまとめて納めることができる「繰り出し位牌」を使うとよいでしょう。位牌は命日順(月日順)に重ねて収納し、命日が過ぎたら位牌を繰り出して一番後ろに廻して収納します。
 位牌は、生前に菩提寺から戒名をいただいて、つくることもできます。生前に位牌をつくることを「逆修牌(ぎゃくしゅうはい)」といい、生きている間は文字を朱色にしておきます。逆修牌は、配偶者を亡くした人や、亡くなってから家族を煩わせたくないと考える人などがつくることが多いようです。
 位牌は線香の煙などで汚れることも多いので、定期的に湿らせたガーゼなどで軽く拭くとよいでしょう。

【仏壇の買い替え】

 仏壇を買い替えるときは、それまで使っていた仏壇を処分する前に、菩提寺の僧侶に依頼して「遷座法要」や「閉眼法要」「開眼法要」を行いましょう。また引っ越しなどで仏壇を移動する場合もこれらの法要を行うのが正式です。仏壇は一般的な家具とは違います。「魂を移す」「魂を抜く」「魂を入れる」儀式を大切にしましょう。
 魂を抜いた仏壇は、一般の家具と同様に扱えます。処分は菩提寺や仏壇店に依頼すれば有料で対応してもらえます。また新しい仏壇を買い求めるお店に相談すれば、無料で引き取ってくれる場合もあるので相談してみましょう。

【仏壇の技術】

 仏壇の価格は、国産材か外国産材か、高度な技術で細部の細工まで手が入っているか、無公害塗料の使用、アフターサービスなどで差が出ます。
 たとえば材質と技術的な部分でいうと、仏壇は違う材質の木材を組み合わせることで反りや暴れなどを防ぐ工法を用いています。銘木を一辺だけ貼り合わせた前練り、表と裏の二方練り、さらに三方練り、四方練りなどもあります。その仏壇がどの工法を用いているかは戸軸の断面を見ればわかると言われていて、どれだけ銘木を使っているかで価格差が出ます。
 またよい仏壇は普段の生活では見えないところまで丁寧に手を入れてあります。引き出しの裏、お膳の裏、削った穴の中まで化粧が施してあるかをチェックしてみましょう。

【神式・キリスト教式】 

 神式の「御霊舎」は神棚よりも低い位置に安置して故人の霊璽、神具などを納めます。新しく御霊舎を祀るときは、神職にお祓いをしてもらいましょう。礼拝は顔と手を洗い、口をすすいで神饌を供えます。それから灯明を灯し二拝二拍一拝を行います。キリスト教は家庭祭壇を設けますが、形式に決まりはありません。十字架、花瓶、燭台、故人の写真などを飾ります。礼拝は日曜日などに教会で行うお祈りが中心となります。