長野の葬儀

「いまどき」の長野県の相続・お墓・お葬式のことがよくわかる

残したい日本の文化「盆提灯」~忙しい現代だからこそ 故人を偲ぶ時を大切に~

2022年05月16日

【盆提灯の意味】

 盆提灯は「あの世からこの世へ来て、子孫たちのもてなしを受けて、またあの世へ帰る」というお盆の祖霊信仰の中で、いわゆる「迎え火・送り火」と同様に、祖先が迷わないように明るく道を照らすという意味あいで習慣化しました。また故人の冥福を祈り、生前の感謝の気持ちを込めたお盆の供養を表すものとして、新盆を迎えた家へ、親戚や故人と親しかった人が、盆提灯を贈るという習慣も古くから続いています。故人へのお供え物のなかでも、盆提灯は最高のものとされていました。
 「盆提灯は家にあるから、もう買わない」と言う人もいますが、新盆には新しい仏さまのために「その仏さまの灯り」を用意するのがいいでしょう。毎年「それぞれの仏さまの盆提灯」を飾りながら「それぞれの仏さま」を偲び、いま、生きていることへの感謝の気持ちを持ってお参りをしましょう。

【盆提灯の飾り方】

 盆提灯は、迎え盆の13日から送り盆の16日まで、精霊棚の両側に一対で飾るのが基本とされていますが、最近は住宅事情などを反映して、一台だけを飾るケースも増えています。縦長の場所を取らない商品も多くなりました。火袋の絵柄や家紋はすべて正面にくるように設えます。
 宗派によって形や飾り方に大きな違いがあるわけではありませんが、気になる場合は、菩提寺に教えていただくとよいでしょう。
 子どもの頃、家族で盆提灯を組み立てた記憶がある人も多いのではないでしょうか。そんなお盆を迎える準備の期間も含め、故人を偲ぶ時と考えて、過ごしてみてはいかがでしょうか。

【盆提灯、誰が買う?】

 昔は、子ども、兄弟、親戚が一軒ごと、新盆を迎える家族のために購入して贈っていましたが、最近は子ども一同など、共同で贈る場合が増えてきました。盆提灯代としてお金を渡し、家族に気に入ったものを選んでもらうケースもあるようです。贈る際は新盆で忙しい家族に配慮し、早めに購入することを伝え、早めに届けることを心がけます。
 価格は材質やつくりの違いで大きく異なります。購入先のお店で、相手との関係や予算、飾られる部屋の大きさなどを伝えれば、いろいろ相談にのってもらえるはずです。カタログやネットだけに頼らず、お店に出かけて実物を見て、心を込めてじっくりと選んでください。

【お盆や法要時には掛け軸も仏事用に】

 お盆やお彼岸、法要時には掛け軸も仏事用に掛け替えるのが習わしです。「名号(南無阿弥陀仏など)」や「観音様」「十三佛」などの図案です。六字名号は宗派によって異なりますので菩提寺に確認しておきましょう。